【じぃ~じの名著紹介】スマホはどこまで脳を壊すか 榊浩平著 川嶋隆太監修

名著紹介
じぃ~じ
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みなさんこんにちは、じぃ~じです。

今回も名著を紹介します。

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スマホはどこまで脳を壊すか (朝日新書897) [ 榊浩平 ]
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ミケ
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毎日のようにスマホを使っているけど、脳を破壊するとは衝撃ニャン

じぃ~じ
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この本ではスマホの危険性について実験データをもとに解説しています。

この本は次のような人におすすめです。

スマホ依存をやめたい人

子どものスマホ依存が心配な人

それでは解説をしていきます。

思考の中枢を担う前頭前野

この本を理解する上で最も大事な用語。それが

前頭前野

です。

前頭前野は大脳の一部で、ちょうど額の裏側にある部分。

脳の実行機能をつかさどると言われ、人間を人間たらしめる大切な機能がつまっています。

まずは前頭前野が担う役割を説明します。

認知機能

情報を素早く適切に処理したり、覚えたりする脳の機能。

それを認知機能といいます。

認知機能を実現させているのが前頭前野です。

認知機能はこの本を語る上で最重要項目

次の4つを理解することが大事です。

計画を立てて実行する

将来の計画を立ててやり通すことは認知機能の役割。

「思い立ったらまず行動」というタイプは前頭前野をあまり使わずに行動していると言えます。

感情や行動のコントロール

感情や行動のコントロールをすることも認知機能の役割。

頑固になったり口うるさくなったりするのも認知機能が弱まっている証拠です。

作業記憶

ワーキングメモリーと呼ばれる「作業記憶」もまた認知機能の1つ。

情報を一時的に保持しながら作業を進める機能で、コンピューターでいうとメモリーに当たります。

処理速度

情報を素早く正確に処理する能力も認知機能の1つです。

いわゆる「頭の回転の速さ」のようなもの。

ただ作業が速いだけではだめで、速く正確に取り組めることが作業速度の機能が高いといえます。

4つの認知機能

計画を立て実行する

感情や行動のコントロール

作業記憶

処理速度

コミュニケーション

前頭前野の大切な役割の2つめがコミュニケーションです。

コミュニケーションのツールである言葉

その言葉を作り出す重要な機能が前頭前野に含まれています。

また、認知機能の一部である感情や行動のコントロール

こちらもコミュニケーションを円滑に進めるためには必要です。もちろん前頭前野が担っています。

他人の気持ちがわからず失敗してしまうのがコミュニケーション。

相手の立場に立って物事を考える機能を「視点取得」といいますが、視点取得の機能も前頭前野の一部が関係しています。

このように、コミュニケーションを円滑に行うための重要な機能を担っているのが前頭前野です。

前頭前野の鍛え方

「Use it or lose it.」

「使わなければだめになる」という言葉があるように、脳も筋肉と同じで使わないと衰えてしまいます。

脳は使わない機能を収縮させてしまうからです。

では、どのように脳を使い、鍛えていくのか。

著者が推奨していることが「脳トレ」「学習療法」「運動」です。

著者である榊浩平さんは東北大学加齢研究所の助教授。

同じ研究所の教授であり本書の監修はニンテンドーDSソフト「脳トレ」を開発した川島隆太先生です。

研究所では「学習療法」の科学的検証が進んでおり、「脳トレ」や「学習療法」に取り組んだ集団はそうでない集団と比べて認知機能の維持や改善につながったという結果が確認されています。

同様の結果が「運動」でも見られました。

なお、学習療法はもともと高齢者の認知症予防のために開発されましたが、若者の認知機能も向上させることが証明されています。

前頭前野を鍛える3つの活動

脳トレ

学習療法

運動

※学習療法に関する詳しい説明は是非、本書をお読みください。

インターネットは学力を破壊する

わたしたちの生活に欠かせないものとなったインターネット。

インターネットの使用頻度が学力にどのような影響を与えるかという研究が紹介されています。

インターネット依存とアルコール依存は同じ

アルコール依存症は昔から心身に悪影響があることが知られています。

アルコールと比べると日の浅いインターネット。

研究ではアルコール依存症の人とインターネット依存症の人を比べることでインターネット依存症の悪影響について検討しました。

結果としてインターネットとアルコールのどちらにも依存していない人に比べて、

インターネットに依存している人たちは前頭前野の実行機能が低く、衝動性も高い

ことがわかりました。

さらに、インターネット依存症の人とアルコール依存症の人には成績に差が見られませんでした。

インターネット依存症とアルコール依存症では脳に対する悪影響は同じくらいであるとわかったのです。

3時間以上のスマホで勉強を台なしに

著者は小中学生のスマホの利用時間、睡眠時間、勉強時間の関係と、成績の関係を調査しました。

調査対象は実に3万7千人。

そのデータからわかったことは

スマホ等の使用が1日3時間以上の場合、どれだけ勉強しても、しっかり睡眠時間を確保しても成績は平均未満になる

という結果。

最も成績が良かったグループは1日のスマホ使用時間が1時間未満のグループでした。

綿密な実験とデータ分析により明らかになった事実。

詳しくは本書をお読みください。

オンラインの悲惨な結末

本書ではスマホの影響と共にオンラインコミュニケーションが人間の脳にもたらす影響についての調査報告もされています。

実験の結果は

オンラインでのコミュニケーションでは脳は何もしていないのと変わらない

ということ。

スマホ使用を含めオンライン習慣がもらたらす悲惨な結果を紹介します。

学習の質が低下

スマホ漬け、オンライン習慣によって学力が低下してしまうことは証明済み。

理由の1つに前頭前野を使っていないことがわかっています。

使わないと発達しないのが前頭前野。

結果、認知機能が未発達なまま年齢を重ねてしまいます。

さらに、脳は加齢とともに萎縮するもの。

脳が未発達の子どもたちはこの萎縮に対する耐性が不十分のため将来の認知症に対するリスクを上げてしまいます。

うつ病とSNS

スマホやオンライン習慣はうつ病のリスクも高めます。

その原因はSNS

SNSは情報収集に便利な一方、他人の生活の最大値と自分の日常の比較になってしまうツール。

比較することで不安になりうつ病のリスクを高めてしまうことはこちらの記事でも紹介しました。

さらに、スマホを夜遅くまで使用することにより睡眠不足もうつ病のリスクを高めます。

孤独

本来は人とつながるためのツールであるSNS。

実はSNSを使うことで孤独感を高めるとう調査結果も出ています。

内閣官房の調査によると孤独感を和らげるため方法は対面コミュニケーションを頻繁にとること。

一方、オンラインのコミュニケーションでは対面のコミュニケーションほど孤独感を和らげることはありませんでした。

大学生を対象にした香港の実験では

インターネットの依存度の高さが孤独感を高める

という結果も明らかになりました。

運動不足

オンライン習慣による運動不足は間接的に認知症のリスクを高めます。

運動不足により引き起こされる「肥満」「糖尿病」「うつ病」

これらは認知症の原因ともされており、間接的に引き起こすのがオンライン習慣だからです。

運動が脳にもたらす効果についてはこちらの記事でも触れています。

運動不足を引き起こすオンライン習慣のリスクを改めて知る必要がありそうです。

まとめ

今回は「スマホはどこまで脳を壊すか」の内容をダイジェストでお伝えしました。

まとめると

脳の実行機能をつかさどる前頭前野

オンラインでは前頭前野を使わない

脳を使わないと認知症のリスクが高まる

1日3時間以上スマホを使うと学力は上がらない

オンライン習慣でうつ病のリスクが高まる

ということです。

本書では詳しい実験の経緯や結果もしっかり紹介されています。

気になる方は是非お読みください。

今回の記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

じぃ~じ
じぃ~じ

最後までお読みくださりありがとうございました。

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