みなさんこんにちは、じぃ~じです。
今回も名著を紹介します。
女性同士の人間関係に困っているニャン
この本は女性の人間関係に関する問題を脳科学の観点から解明しているよ
「人と比べる」「マウントする」「愚痴っぽい」…
女性同士の人間関係に疑問を持ったり、ストレスを感じたりしたことはありませんか(女性に限らずとも言えますが…)。
そのようなことに巻き込まれて疲弊してしまうことを著者は「男女問題」ならぬ「女女問題(じょじょ問題)」と名づけています。
そしてそんな女女問題を脳科学の観点から解説をして、対処法を提案しています。
この本は次のような人におすすめです。
女性同士の人間関係に疲弊している
職場で女性が多く、接し方に困っている
女性にイラついたときの対処法を知りたい
それでは解説をしていきます。
女性脳の定義
女女問題を語る上で必要不可欠なこと、それは
女性脳
に関する理解。なぜなら女女問題が起きる理由は
女性特有の生存本能
が根本にあるから。女女問題について解説する上でこの著書での「女性脳」の定義は
子どもを産む産まないに関わらず生来の母性をたたえている脳
としています。これはあくまで「生存本能」という脳科学の観点から解説するためです。
女性の生存本能
脳は生きのびるために進化してきた。これは別の名著紹介でも解説しました。
遺伝子を残すための最も大事な仕事である出産と子育て。
しかし、妊娠中は思うように体は動かせず、子育て中に母乳がでなかったら子どもは飢えてしまいます。
そんな危険を回避するために人類の子育ては共同体の中で行われています。そうすることで生存可能性を上げているのです。
人間の女性は他の女性たちとつるまないと子育てが成り立たない。結果、生存本能として
ひとりではいられない
誰かに大切にされて安心したい
言い換えると
群れたいけど群れの中で1番でいたい
という感覚が備わっているのはそのためです。言い換えると、そのような感覚が強い女性ほど生きのびたと言えます。
この2つの生存本能こそが女女問題を理解する大前提になります。
イラつきの理由
さきほどの大前提がわかると、女性が女性にイラつく理由が説明できます。
それは
群れの中で自分の序列が危うくなるから
女性たちは自分よりも優れている相手にも、劣っている相手にもイラっとします。
相手がどんなタイプであってもイラつく理由はすべてこれ。
それがわかることで対処の仕方もわかるということです。
美人に嫉妬する理由
女性にとって嫉妬の対象にならない美人と、嫉妬の対象になる美人が存在します。
嫉妬の対象にならない美人は同じ群れにいない「とびぬけて美しかったり、可愛かったりする女性」です。
嫉妬の対象になる美人は同じ大学や同じ職場、子どものママ友など同じコミュニティ(群れ)にいる女性です。
美人に嫉妬する理由は
群れの中で自分より大切にされる
からです。これは完全に
群れたいけど群れの中で1番でいたい
という欲求を脅かすものだからです。
美人に嫉妬した時の対処法
美人に嫉妬した時の対処法の1つは
自分の脳はちゃんと機能している
と思うことです。嫉妬するということは生存本能が働いているということ。
嫉妬することを健全なことだと思うこととします。
もう1つ、しっかりとフェロモンが出ている健康的な美人のそばにいると自分の女力もあがります。
そうすれば自分の生存可能性も上がるのです。
このように嫉妬することを知識で止めることが出来ます。
愚かな女にイラつく理由
自分よりも劣っている人にイラつくという女性もいるはず。
先ほどの説明と矛盾するようで実はこれも女性の生存本能から説明可能です。それは
愚かな女は群れを脅かす
から。群れで子育てをしている女性たちのなかに、粗忽さ、無神経さ、能力不足で赤ちゃんの命を脅かすような人がいたら、危険因子となります。
これは言い換えると「能力の足並みをそろえたい」ということにもなります。
子育ては常に不測の事態とともにあるので、「とっさの判断」に不安のある人=愚かな人を群れにおいてはいけないのです。
対処法
愚かな女にイラつくことは自由に集まった「仲良しグループ」であればいたしかたないこと。
生存本能上、避けられないこととして受け入れるのが良いです。
逆に疎外された人は別の仲良しグループを作ることを推奨します
ただ、仕事上のグループでこの行動はよくありません。それについては次の項目で説明します。
話していてイラつく理由
話をしていていらつくということも多いと思います。その理由は2つの思考スタイルにあります。
不測の事態が起きて、何とかしなければいけない時の思考。
これはを「とっさの思考スタイル」と呼びます。
この「とっさの思考スタイル」には
「ことのいきさつ」派と「今できること」派
の2種類があります。
この思考スタイルを理解するとどんな相手ともイラつかずに会話できるはずです。
この思考スタイルは女女問題だけでなく、男性上司と女性部下の関係にもあてはまります。
「ことのいきさつ」派
ことのいきさつを反芻して、根本原因に触れようとする思考が「ことのいきさつ」派です。
例えば、幼い子どもが具合悪そうにして朝ごはんを食べない時、
そういえば昨夜、風呂上がりにリンゴジュースをあげた時、嫌がっていた。一昨日、保育園で手足口病が出たって聞いたけど、あれか?口開けてごらん。あーやっぱり」
のように「そういえば」をキーワードにして記憶の中に根本原因を探るのが「ことのいきさつ派」です
「今できることは」派
「今できること」に集中して、できるだけ早く動き出そうとする思考が「今できること」派です。
先ほどと同じ場面では
「熱はあるの?(測ってみる)」「この時間、近くの小児科、やってたっけ?(調べてみる)」
のように目の前の客観的事実をすばやく把握して、さっさと動き出すのが「ことのいきさつ」派です。
すれちがう2つの思考
問題解決の場面に遭遇した時は次のような構図でお互いイラつくことになります。
「今できること」派のイライラ
「今、目の前のこと」をさっさと処理したいのに、「ことのいきさつ」派が気持ちや記憶をだらだらと話すのでイライラする
「ことのいきさつ」派のイライラ
大事な話をしているのに「今できること」派に頭ごなしにいきなり結論をつきつけられてムカつくことになります。
どちらも自分の脳が最適解に最速でたどり着く思考回路を的確に選んだにも関わらず、互いに相手が愚かに見えて、イラつき合うのです。
対処法
他人の言動にイラついたときには「その人が、自分とは違う能力を発揮している」と考えることを著者は提案してます。
イラつく相手ほど、自分が見えないものを見ていると考えるのです。人としてかなりの経験と度量がいることですが、それができないと会社も家庭もうまく回りません。
「ことのいきさつ」派への対処法
目の前の人が、経緯や気持ちを延々と話し出してイラついたときの対処法です。
例えば「契約内容に不備があった」とします。
「ことのいきさつ」派がエピソードを延々と話している感じたら、その時の部下の気持を理解しようとします。
トラブルの根本原因を上司に報告しないと適切な対応がとれない
と心配しているのです。その気持ちをくみとり、この場合は
「その話は重要そうね。あとでよく聞かせて。けど、まずは、不備の内容から教えてくれる?」
と結論を導くのがよいです。
また、「ことのいきさつ」派には共感すると話が早く終わることもあります。
状況説明に夢中になりすぎて結論にたどり着かないと感じたら
「何かあったの」「それであなたはどうしたいの」
と好奇心満々に尋ねるのが良いです。
心配している、あなたに興味がある
という態度がポイントです。
この著書は基本的に女性同士の会話を想定していますが、男性の上司と女性の部下にも応用できる対処法です。
「今できること」への対処法
「こうすればよかった」「それはダメ」など頭ごなしに決めつけるのは「今できること」派です。これはマウンティングをしているのではなく、「目の前の人の混乱をいち早く救ってあげたい一心」なのです。
こういう相手には結論や話の目的を先に話します。
仕事上の会話なら
「○○の件で報告があります」
とまず伝えます。上司は基本的に「今できること」の思考でいますので、経緯や感情を伝えるのは好ましくありません。
プライベートな関係なら
「話を聞いてほしい」
と先に伝えるのです。こうすることで「話を聞くことが目的」と明確になるので、そのミッションに邁進してくれます。
ちなみに無理な仕事を言われたときは「できない理由」よりも「できること」から話します。
「火曜日までなら8割ほど終わらせてレポートが書けます。完璧にするためにはあと2日必要です」
など伝えると上司から「できるな」と思われます。
また、相手が「YesかNoか」で答えられる質問をするのも良いです。「…してもいいですか」と聞かれたら答えは「はい」か「いいえ」で即答できるので、「今できること」派の思考にぴったりだからです。
対話の奥義
このようにすれ違いをうむ「ことのいきさつ」派と「今できること」派の会話ですが、対話の奥義をマスターするとコミュニケーションのストレスから解放されます。それは
人の話は共感で聞き、自分の話は結論から話す
です。対話の奥義をマスターして「下に見られてイラつかれる」こともなく、相手を「下に見てイラつく」こともなくなります。
女がマウントし合う理由
群れの中で優遇されることこそ、自分と子どもの生存可能性を上げることでした。同時に、女性の仲良しグループは子育て共同体として形成さえるため「愚かな女」をグループに入れておくのは危険でした。
女性たちが日々マウントし、マウントされて生きていくのはまさにこのためです。
マウントされたと感じた時の対処法を説明します。
対処法
著書では色々なパターンのマウンティングに対して、対処法が解説されていますが、それらは根本には1つのことに集約されます。
ずばり、マウンティングは片方が「マウンティングされた」と感じた時に成立するということ。
マウンティングの沼は自分の心の中にある
ということなのです。
反射的に、誰かと自分を比べて、勝ち負けをはっきりさせようとする本能は、生存にとって大切な本能です。一方、対人関係ではそれを少し抑えることも必要ということです。
感謝しない相手にイラつく理由
これは特に経験が増えてきた年代に当てはまることです。
経験が増えてくる40~50代。
新しいものを取り入れる速度は遅くなりますが、過去に経験したことがある認知はとても早くなります。
しかし気づくことが多くなるほど割を食うのもまた世の常なのです。
「気がつく」→「やる」のプロセスが増えますが、周りの人はそれに気がつかない。
自分には100見えているけど、他の人に20しか見えていないのだから。
気がつかないから感謝するきっかけがない
だから感謝されないという悪循環の沼にはまっていくのです。
対処法
こんな時の対処法は
自分がそれをして気持ちいいからやる
へシフトすることです。自分がやりたくもないのに他人のためだけに動くのは限界があります。
「自分がやりたいからやる。それを楽しんでくれる人がいたらラッキー」くらいに思えばいいのです。
そして感謝されないということは、周りに見えていないものが自分に見えているということ。
それを「プロになった」と誇りに思うと良い、「社会人は、周りからの感謝が足りないと思うようになって、初めて一人前」と著者は語ります。
女性がおしゃべりな理由
女性脳はしゃべりたい欲求が高いです。つらいことも失敗も、もちろん嬉しいこともしゃべりたい。なぜならしゃべることで生存可能性を上げてきたからです。
脳は危険な目にあった瞬間の出来事を感情と共に想起すると「二度と同じ目にあわないように脳にスキルをつくる」という癖があります。
子育てには大きな失敗はゆるされません(生存という意味で)。女性のはしゃべることで「まだ起きていない危機を回避していく」のです。
対処法
基本的に「怖い目にあった」という女性の話には盛大に共感する必要があります。
「さっき、階段から落ちそうになって怖かった~」
「で、ケガは?何段落ちたの?」
という会話ではなく
「さっき、階段から落ちそうになって怖かった~」
「うわ、それ怖いよね」
と言ってもらえると危機回避能力をしっかり上げられます。
さらに共感した側にも他者の記憶を疑似体験したことになり、自分が体験しなくても知恵が身につきます。
このように「しゃべりたい欲求」と「共感してもらいたい欲求」がセットで働く必要があるのです。
ビジネスの場では
ただし、職場での会話は必ずしも共感ベースで進められることはありません。
共感を期待しても叶わないことを知っておくとよいです。
また、職業に就く女性や結婚しない女性も増えており、女性の人生も多様化しています。このため、「(共感スタイルの)女性同士の会話が苦手」という女性も増えてきています。
女性同士だからといって、誰とでも「わかる」「わかる」とうなずきあえるわけではなくなっています。
最強のテンプレート
ここまでの内容を読んでいただいたみなさまはコミュニケーションをとるのが難しいと感じてしまうかもしれません。そんなみなさまに最強のテンプレートを紹介します。
相手の気持ちは「いいね」か「わかる」で受けて、反論は主語をつけて言う
です。例えば
「それは合理的ね。でも私にはクールすぎるように感じる」
「斬新なアイデアだね。でも僕には実現可能性が低いように思える」
のようにです。これは多種多様な民族が混在する中、コミュニケーションを円滑にする必要がある欧米社会の対話スタイルです。
対話ですれ違ったときの魔法の言葉
「ことのいきさつ」派と「今できること」派のむずかしい対話。そんななかで「ことのいきさつ」派の中で、「今できること」派ができること。それは
口を挟まないで対話の流れを見守る
ことです。混乱したときは、
笑顔で「なに、なに?」
と聞けばいいのです。話し合いが終わったとき、結論がよくわからなかったら、
「結局どうなったの?私は何をすればいい?」
と派認するのがよいです。
「ことのいきさつ」派は基本的に優しく、手のかかる弱者を放っておけないのです。
まとめ
今回は「女女問題 イラつく女への7つの対処法」の内容をダイジェストでお伝えしました。
まとめると
女性脳は群れの中で1番でありたい生き物
イラつく理由は序列が危うくなるから
生殖本能を受け入れることで対処する
話していてイラつくのは脳の使い方が違うから
相手の話は共感し、自分の話は結論からはなす
「わかる」で気持ちを受け止め、「私は」で意見を伝える
ということです。
本書ではさらに詳しいエピソードや会話の実例もしっかり紹介されています。
気になる方は是非お読みください。
今回の記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。