「時間がかかる」や「時間をかける」というときにIt takesかspendの2つの表現があります。よく使う表現ですが、どちらをどう使ったらよいかということは迷うかと思います。
「時間がかかる」「時間をかける」という表現は英検のライティングやスピーキング(2次試験)で使えるとても便利な表現。
覚えるべき大事なことは
takeの基本公式は「It takes 人 時間 to…」
主語が「もの」ならtake
spendの基本公式は「spend 時間 …ing」
主語が「人」ならspend
ということです。
英検1級&TOEIC960で元英語教員のじぃ~じがIt takesとspendの違いをがっつり解説します。しっかり使いこなして得点に結びつけましょう。
takeの基本公式は「It takes 人 時間 to…」
まずはtakeの使い方を確認します。
takeの基本公式
「時間がかかる」という表現におけるtakeの基本公式は
It takes 人 時間 to…
人が…するのに時間かかる
例えば、「ここから駅に行くまで5分かかる」なら
It takes you five minutes to get to the station.
ここから駅にいくまで5分かかる
「時間がかかる」でtakeを使う場合はこの基本構文をまずは理解することが最初です。
![じぃ~じ](https://www.teachingengish.com/wp-content/uploads/2022/03/fruit_banana_character.png)
まずは基本公式を理解するのが大事
ものが主語ならtake
先ほどの「It takes 人 時間 to…」のItはいわゆる時間を表すitまたは形式主語のitと解釈できます。
「時間がかかる」でtakeを使う構文は実はitを使わないことできます。
例えば「私がその本を書くのに2年かかった」という日本語をIt takeを使うと
It took me two years to write the book.
となります。これをthe bookを主語にして次のように書き換えることも可能です
The book took me two years to write.
ただし、次のようなカタチはダメです。
(×)I took two years to write the book.
「時間がかかる」をtakeを使って表現する場合は必ず「It」や「時間をかけたもの」など「ものが主語」になります。
![ミケ](https://www.teachingengish.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_9320.jpg)
takeは必ずものが主語になるニャン
「時間」「労力」「空間」はtake
ものを主語にした構文であればtakeは「時間」以外にも「労力」や「空間」に対しても使用可能です。
A TV set this size won’t take much space.
この大きさのテレビならあまり場所をとらないだろう
It takes courage to acknowledge one’s mistake.
過失を認めるには勇気がいる
この用法のtakeは「必要とする」という意味が根本にあるためです。少し応用ですが次のような使い方もあります。
He has what it takes to be a good teacher.
彼は良い先生になる素質(=必要なもの)を持っている
「費用」」「犠牲」はcost
すこし話はそれますが、全く同じ構文で似たような意味をもつcostという単語の使い方も覚えておくと便利です。
costは「費用がかかる」というのが主な意味です。費用以外には「犠牲」などの意味でも使えます。
「It」や「費用をかけたもの」などが「ものが主語になる」ところはtakeと同じです。
It cost me fifty pounds to buy this desk.
This desk cost me fifty pounds.
この机は50ポンドかかった
The work cost him his health.
その仕事で彼は健康を損ねた
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It takesとIt costsは全く同じ文型をとるよ
spendの基本公式は「spend 時間 …ing」
続いてspendの使い方を説明します。
spendの基本公式
spendの基本公式は次の通りです。
spend 時間 …ing
時間を…して過ごす
簡単な例文は次の通りです。
She spent the afternoon playing tennis.
彼女はテニスをして午後を過ごした
playingをto playにすると間違いになりますので、ここは注意が必要です。
(×)She spent the afternoon to play tennis.
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後ろの動詞はing形になるニャン
人が主語ならspend
takeとの大きな違いはspendの場合は「主語は人になる」ということです。
「宿題を終えるのに3時間かかった」という内容はIt takesでもspendでも表現できますが、次のように主語が違うことに注目してください。
It took me three hours to finish my homework.
I spent three hours finishing my homework.
宿題を終えるのに3時間かかった
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人が主語になるのはtakeとの大きな違いだよ
「時間」「費用」「労力」はspend
時間以外にも「費用」や「労力」を使う場合にもspendを使うことができます。その場合は公式で「時間」を入れていた部分に「費用」や「労力」を入れます。
またと…ingの部分をon+名詞にすることで、「名詞に○○を使った」という表現にもなります。
spend 「費用・「労力」 on 名詞
名詞に「費用」・「労力」を使う
次の例文を参考にしてみてください。
He spent half his salary on clothes.
彼は給料の半分を洋服に使った
She spent a lot of energy preparing for the party.
=She spent a lot of energy on the preparation for the party.
彼女はパーティの準備に多くの精力をつぎこんだ
spendの語源”pend”は「ぶら下がる」
spendの基本公式や人が「主語になる」ということを説明してきました。ここでspendの語根を紹介します。多くの単語に当てはまりますので知っておくと便利です。
spendの語根は
pend
ぶら下がる、吊るす
でspendは「はかりで重さを量って支払う」ところから「(金を)費やす」という意味になりました。他にも
depend
「下に」+「ぶら下がる」=「頼りにする」
suspend
「下に」+「ぶら下がる」=「一時停止する」
pending
「ぶらさがっているもの」=「未決定の」
pendant
「ぶらさがったもの」=「ペンダント」
pendulum
「ぶらさがったもの」=「振り子」
などの重要単語も同じ語根をとります。
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「はかりで重さを量って支払う」spendは忘れないニャン
まとめ
今回は「時間がかかる」の表現It takesとspendの正しい使い方を解説しました。
It take 人 時間 to…が基本公式
ものかItが主語になる
「時間」「労力」「空間」に仕える
spend 時間 …ingが基本公式
spend 時間/費用/労力 on 名詞のカタチも
人が主語になる
語根のspendは「吊るす」の意味
今回紹介した「spend 時間 …ing」はNetflixドラマ「エミリー、パリへ行く」でも登場しました。
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See, I spend my days pushing around numbers.
俺の仕事は数字との格闘
spend 時間 …ingという基本公式が使われているのがわかります。
またing以外にも応用されるのもspendの特徴です。別の場面では
![](https://www.teachingengish.com/wp-content/uploads/2024/05/49bafb2e068a12403f9f912975757c04-1024x576.png)
So you’re spending the weekend in Champagne with Camille?
カミーユとシャトーへ?
(直訳:カミーユとシャトーで週末を過ごすの?)
![じぃ~じ](https://www.teachingengish.com/wp-content/uploads/2022/03/fruit_banana_character.png)
会話ではspendの方が使いやすい印象ですね
別の記事では何となくわかるようでわからない英文法について解説しています。
こちらも是非参考にしてみて下さい。
最後までお読みくださりありがとうございました。